インプラントについて
About implant treatment
美しく、健康的なインプラントを追求します
歯を失ってしまった際の選択肢として注目されるインプラント治療。天然歯に近い見た目と噛み心地を取り戻せる優れた治療法ですが、「費用はどれくらい?」「デメリットや後悔する点はない?」「手術に痛みはあるか?」など、多くの疑問や不安があるかと思います。
インプラントは、顎の骨にチタン製の人工歯根を埋め込み、それを土台として人工歯を装着する治療です。ブリッジのように隣の健康な歯を削る必要がなく、入れ歯のような不安定さもありません。しかし、外科手術が必要であること、治療期間が比較的長いこと、インプラント周囲炎のリスク、そして定期的なメンテナンスが不可欠であることなどを理解しておく必要があります。
高橋デンタルオフィスでは、CTによる精密診断に基づき、安全性を最優先した治療計画を立案します。骨不足の場合の治療法(骨造成など)や、痛みを最小限に抑える工夫(静脈内鎮静法など)、そして治療後のメンテナンスまで、トータルでサポートいたします。インプラントの寿命をできるだけ延ばす方法も含め、丁寧にご説明しますので、安心してご相談ください。
インプラントは金属(チタン)の歯根を顎の骨に埋めこむ治療です。インプラント治療を成功させるためには、お口の中の清潔な環境作りと維持が大切です。
インプラント周囲炎
アメリカ歯周病学会が最新のエビデンスに基づく歯周病の新分類にインプラント周囲炎を言及してから、昨今、一般の方にも少しづつその認知度が広がってきました。
インプラント周囲炎とはインプラント周囲粘膜の炎症と、進行性の骨喪失を特徴とするインプラントを失う一番の原因です。予防には日々のプラークコントロールと定期検診が大切です。
1インプラント治療について
インプラント治療の流れ(進行段階によって流れや組み合わせが変わります)
インプラントの構造
インプラントは本体、アバットメント、被せものの3つのパーツから成り立っています。インプラントを顎の骨の中に埋め込み、骨と静着した後、アバットメント(被せものの土台)を装着します。主にチタン製ですが、審美性を重視する場合にはジルコニア製を用います。
被せものは通常、歯に使用する素材と同じですが、インプラントはより強く噛める為、強度が必要です。しかし、あまり固すぎると噛み合う相手の歯が悪くなってしまうので、理想は天然歯と同様の固さです。セラミックの他、最近ではジルコニアにセラミックをコーティングしたものが使われます。
治療の手順






顎の骨が薄い場合のインプラント
上顎奥歯01
ソケット・リフト方式
上顎の奥歯部分の骨が薄い場合、上顎洞(副鼻腔)内に直接インプラントが入り込まないようにその部分に新たに骨を造る必要があります。




ソケットリフトによる治療は、大掛かりな手術の必要が無いので安全で腫れや痛みもほとんどありません。治療費は100,000円(税別)です。
リスクは骨の厚みが4mm以下では適応外であること、上顎洞粘膜が極端に薄い場合、術中もしくは術後に破けてしまい、骨補填材であるβ-TCPが感染してしまうとしばらく置いてからもう一度同様の手術を行う必要がある、通常よりも骨に生着するのに時間がかかる(6ヶ月〜8ヶ月)等です。しっかりとした診断をし、適応を誤らなければ殆ど問題ありません。
上顎前歯、下顎前歯・奥歯02
スプリット・キャスト方式
骨の薄い部分にインプラント治療をする場合、薄い骨を拡げるスプリット・キャスト法があります。特殊な器具で骨を拡げていく方法で、従来と比べて手術部位が小さいため、痛みや腫れが殆どありません。
図のように左から「薄い骨に小さな溝をあける」「細いドリルで穴を拡大してしていく」「徐々に太いドリルに変更しながら最終的にはインプラントの大きさまで拡大する」「埋め込む」という簡単な手順で済みます。
特に前歯部ではこのスプリット・キャスト法により、殆ど骨を削らない手術が可能になりました。治療費は通常インプラント手術費用に含まれますが、メンブレン(特殊な膜)を用いる場合、別途材料代として50,000円(税別)かかります。
リスクはあまりにも骨が薄い場合は適応できないこと、骨を広げていく際、血液供給がうまくいかなく、骨とインプラントが生着しない、また、通常の場合より生着に時間がかかる(6ヶ月位)等があります。これも術前の十分な審査・診断で適応を誤らなければ殆ど問題はありません。
ほかの治療との比較
一部の歯を失った場合01
ブリッジ
両隣の歯を削って人工の歯をかぶせます。
<短所>
噛む際に、削られた歯に負担がかかり傷みやすい
健康な歯を削る必要がある
部分入れ歯
人工の歯を固定するために金属のバネで健康な歯に固定します。
<短所>
金属のバネをかける健康な歯に負担がかかる
常に違和感がある
金属のバネが見えて、見栄えが良くない
虫歯や口臭の原因となる
インプラント
インプラントを埋め込み、その上に被せものを固定します。
<長所>
健康な歯を削ったり利用しないため、自分の歯を保てる
違和感がなく、自分の歯のように扱える
すべての歯を失った場合02
総入れ歯
歯茎の上に入れ歯をのせます。
<短所>
入れ歯がぐらついたり、ずれたりする
硬いものが噛めない
入れ歯が上顎を塞いで、味がわからない
食べ物が入れ歯と歯茎の間に挟まり、痛む
あごがやせてしまうために、年老いて見える
インプラント
インプラントを埋め込み、その上にを固定します。
<長所>
インプラントはあごの骨に固定されるため、ぐらつかない
天然の歯と変わらない感覚で物を噛んだり、味わうことができる
食べ物が挟まることはほとんどない
天然の歯と同様の外観を保つため、年老いて見えることはない
2インプラントの留意点
インプラント治療における、留意点をご確認ください。
抜歯、その前に
歯を失う原因は…01
虫歯
虫歯による腐食が3分の1以下であれば矯正治療によって歯の根を引っ張りだし、再利用できる可能性があります。(半分以上が腐食している場合は不可能です)
歯周病
一部の骨のみを失った、垂直的に骨が溶けている、などの場合は歯周組織再生療法で温存できる可能性があります。(ほとんど失っている場合は不可能です)
歯根の病気
病気(歯根のう胞)が小さいうちは、マイクロスコープによる歯根治療や外科手術によって完治できる可能性があります。(大きくなった病気は保存不可能です)
歯根破折
歯根破折におきましては、残念ながら保存することは不可能です。
高橋デンタルオフィスの方針は、ご自身の歯を残す最大限の努力をいたします。まずは歯や歯周病の治療を実施し、あらゆる可能性を検証します。
米国でインプラントを優先する理由02
アメリカにおいて、根に病気を持った歯や歯周病にかかった歯は予後が悪い場合があるので、いっそのこと抜いてしまってインプラントに置き換える方が安全ととらえる傾向があります。これが良い、悪いということは難しいところですが、実際日本においてもそのような傾向が出てきているのも事実です。
インプラントと歯周病のかかわり
歯周組織(歯肉)は歯を細菌から歯を守る重要な働きをしています。細菌が歯と歯肉の隙間から侵入し、感染すると骨を溶かしてしまうため、歯肉は歯とぴったり密着し、常に細菌の侵入を防いでいるのです。
同様に、インプラント治療後も、インプラント体に歯肉が密着し細菌から感染するのを防いでくれています。
インプラント治療後も、インプラント部分の歯肉の健康状態を維持するため、定期的なメンテナンスがとても大切です。
インプラント周囲炎
他院で治療された後、不具合を訴えて当医院にご来院された方の中で最も多い失敗例が「インプラント周囲炎」です。これは歯周病菌に感染し、周囲の歯肉が腫れ、支えている骨が溶けてしまう症状で、原因の多くは、お口に中の環境や、清掃性が悪い(汚れが落としにくい)形のかぶせ物によるものです。
写真左)歯肉の隙間から細菌が入り込み歯周病になっています。写真右)支えている顎の骨が細菌で溶かされているのが分かります。
治療例.101
1のレントゲンではインプラントの周りに黒い陰ができています(矢印)。周囲炎で骨が溶けてしまい、グラグラになってしまいました。当医院にて感染した2本を撤去し、骨を再生する処置(GBR)を施した後に新しいものを埋入したところ、良好な予後を保っています。(2のレントゲン)
この方の場合治療費はGBRが150,000円、インプラント治療2本で960,000円(すべて税別)です。リスクは清掃状態が悪いと再びインプラント周囲炎になってしまうこと、被せ物のセラミックが破折してしまうこと等です。
治療例.202
1のレントゲンではかぶせ物が大きく、強い咬合力により支える骨が弱り、インプラント自体がグラグラになってしまいました。撤去した跡は骨もありません(2のレントゲン)。半年後、骨が再生してから新たに手術を行い、被せ物もやや小さめにしたところ良好な予後を保っています(3のレントゲン)。
この方の場合、インプラント1本で治療費は480,000円(税別)です。リスクは清掃状態が悪いとインプラント周囲炎になってしまう、被せ物のセラミックの破折、噛み合わせが悪いと噛み合う歯が傷んでしまう、等があります。
3安全に成功させるために
インプラント治療を成功させるための、高橋デンタルオフィスでの取り組みを紹介します。
CT撮影、手術シミュレーション
診断のためにCT撮影を行い、顎の骨の厚みや神経や血管の位置をミリ単位で正確に把握することで、より安全な手術ができます。
また、使用する手術に使用するCT撮影機と手術システムはドイツのKAVO社製(写真左)で顎の骨に優しい手術を行います。専用のソフトでインプラント手術のシミュレーション(写真右)も必ず行います。
口腔外科専門医との連携
手術で埋め込む部位が神経や血管に近く、上顎洞挙上術と併用する様な例につきましては口腔外科専門医(東京医科歯科大学口腔外科出身)が担当します。歯周病専門医と口腔外科専門医が連携をすることで、より安全で確実な手術が可能です。
静脈内鎮静法・血圧管理
専門の麻酔科医による「静脈内鎮静法」により、精神的な緊張が和らぐことで血圧や心拍数も安定します。全身麻酔と違い、意識がなくならずにリラックスした状態で手術が受けられ、多くの方が「痛みも感じず、いつの間にか終わって いた」と好評です。
また、血圧が高めの方には手術中に血圧が上がるのを事前に予測する機能(Heist)を備えたモニタリングシステム(写真右)を使用します。
安全・安心な素材
インプラント01
高橋デンタルオフィスでは、世界レベルで信用の高いブランドメーカーをそろえ、その方の顎の骨の状態に 最も適したものを選出しています。
ノーベルバイオケア(スゥエーデン)
ストローマン(スイス)
アンキロス(ドイツ)
Zsystems(スイス・ジルコニアインプラント)
上部構造(かぶせ物)02
上部構造(かぶせ物)にはジルコニアを推奨しております。
金属を使う場合には生体親和性のある貴金属(CM社 Opticast)を使用します。。これは厳しいヨーロッパ基準をクリアしており、身体に有害な不純物が無く金属アレルギーも全く出ません。
※: Cendres Metaux社の金属が生体親和性テストで問題が無かったことを証明する証明書(写真)
保証について
高橋デンタルオフィスでは、インプラント本体は10年、かぶせ物につきましては5年間保証いたします。
*2025年より保証会社(ガイドデント)に委託となります。
手術後に問題が生じる場合は、ほとんどが5年以内に起きることが科学的に証明されており、論文などにおける成功の基準とは「5年間問題が無かった場合」と定められています。
メンテナンス
インプラントを長持ちさせるには定期的なチェックはかかせません。インプラント自体が虫歯にはなりませんが、天然の歯以上に最近に弱く、歯周病には注意が必要です。よって、定期的なチェックと衛生士によるクリーニング(PMTC)はかかせません。
また、咬みあわせも微妙に変わってきますので時々咬みあわせの調整や留めてある土台のねじに緩みがないかの確認も必要です。就寝時、よく歯ぎしりや、噛みしめを行う方の場合、マウスガードの就寝時の装着をお勧めする場合もあります。
歯周病の専門医でもある高橋デンタルオフィスで、定期的なメンテナンスを行ってください。

