高橋デンタルオフィスの歯周病治療は、日本歯周病学会認定の歯周病専門医である院長が担当します。日本歯周病学会・米国歯周病学会の治療指針にもとづき、検査による正確な診断から、進行段階に応じた治療、再発を防ぐメインテナンスまで、一貫した歯周病医療を提供します。
歯周病とはどんな病気か
歯周病は、歯垢(プラーク)の中の歯周病原菌が歯と歯ぐきの境目に入り込み、炎症を起こす病気です。日本の成人の多くが罹患していると言われ、歯を失う原因の第一位でもあります。
怖いのは、初期にはほとんど痛みがないことです。「歯磨きのときに血が出るだけ」「少し歯ぐきが赤いかな」と感じる程度でも、実は静かに進行している可能性があります。悪化すると歯槽膿漏と呼ばれる状態になり、歯を支える骨(歯槽骨)が溶け、歯ぐきが下がる、歯がグラグラする、強い口臭がするなどの深刻な症状が現れ、最終的には歯を失う原因となります。
さらに歯周病は、心疾患・糖尿病・肺炎・早産など、全身の病気とも深く関わっています。詳しくは歯周病と全身の健康をご覧ください。
なぜプラーク(バイオフィルム)が原因になるのか
歯の表面に付着するバイオフィルム(プラーク)には、むし歯や歯周病の原因菌が多く生息しています。バイオフィルム内で歯周病原菌のみが急速に増加すると、病原性の低い状態から高い状態へ変化し、歯周病が急に悪化します。歯周病の治療と予防でバイオフィルムの除去が重視されるのは、このためです。
進行段階と症状 — 当てはまるものはありませんか
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健康歯周ポケット 1〜3mm
出血・腫れがなく、引き締まった歯ぐき
歯ぐきは薄いピンク色で引き締まり、歯と歯の間もきれいな三角形を保っています。歯を磨いても出血せず、歯を支える骨も減っていません。この状態では歯周ポケット(この場合は歯肉溝と言います)は1〜3mmにとどまります。定期的な検診と予防処置(クリーニング)で、この状態を維持してください。
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初期歯周ポケット 3〜4mm
歯ぐきからの出血、口臭
歯を磨くと歯ぐきから出血する、歯ブラシに血がつく、口臭が気になる。これらは歯周病の初期症状です。まず歯周病検査を行い、正しい歯の磨き方の指導と、歯の表面に付着した歯石・歯垢の除去を行います。
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中等度歯周ポケット 4〜5mm
歯ぐきの腫れ、違和感、知覚過敏
歯ぐきが腫れて痛む、疲れがたまると歯ぐきに違和感がある、冷たいものや熱いものがしみる。この段階では、歯の周囲の骨も少しずつ溶けはじめています。正しいブラッシングとスケーリングを行ったうえで、歯周ポケット内の歯根に付着した歯石を除去し、細菌で汚染された歯根面をきれいにしていきます。
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中等度〜重度歯周ポケット 5〜8mm
強い口臭、軽度の歯のぐらつき
歯ぐきから膿が出る、口の中がネバつく、強い口臭がする、物が挟まりやすくなった。この時期になると症状が顕著になり、歯を支える骨の半分程度が失われている可能性があります。ルートプレーニング後の再検査で歯周ポケットが6mm以上残る歯には歯周外科手術を行います。ぐらつく歯はかぶせ物で連結固定し、しっかり噛めるようにします(歯周補綴)。
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重度歯周ポケット 8mm以上
噛めないほどの歯のぐらつき
歯が極端にぐらつく、痛くて噛めない。この状態では、歯を支える骨はほとんど失われています。レントゲンと3次元CT撮影で骨の状態を精査し、歯周組織再生療法が適応かどうか、十分な効果が得られるかを診断したうえで、可能であれば施術します。残すことで周囲の骨がさらに溶け、隣の歯や身体に悪影響が及ぶ場合や、抜歯後のインプラント治療のために骨を温存すべき場合は、抜歯をご提案することがあります。
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急性発作
歯周病の急性炎症
普段は無症状の歯周病の歯の周りで細菌が急激に増え、歯ぐきや頬が急に腫れて強い痛みを伴う状態です。歯がぐらつき、物が噛めなくなり、発熱することもあります。身体の疲れや寝不足などによる免疫力の低下が引き金になります。抗菌剤(マクロライド系、ニューキノロン系)と解熱性鎮痛剤の服用、症状によっては歯ぐきを切開して膿を出す処置を行います。歯の根の急性炎症の疑いがある場合は鑑別診断が必要です。
歯周病の検査 — 治療は正確な診断から
歯周病の治療には、病状の進行段階を正確に知ることが不可欠です。検査の結果から治療計画を立てていきます。
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歯周ポケット検査
専用の器具で歯周ポケット(歯と歯ぐきの間の溝)の深さを測ります。もともとあるすき間を測るため特に痛みはありませんが、炎症がある場合は軽く触れただけでも出血します。健康な場合で1~2mm、初期で3~4mm、中等度で4~5mm、中等度~重度で6~8mm、重度で8mm以上が目安です。
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レントゲン検査・CT検査
歯を支える顎の骨(歯槽骨)の溶け具合を審査します。全体を把握するパノラマ撮影と、細部を確認する部分的撮影を行います。当院では低線量CTによる3次元画像で、骨の状態をさらに正確に診断できます。
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細菌検査(歯周病原菌検査)
悪性度の高い歯周病原菌が大量に存在すると、通常の治療だけでは効果が出ないことがあります。歯周ポケットにペーパーポイントを入れて菌を採取する簡単な検査(痛みはなく5分程度)で原因菌を特定し、必要に応じて抗菌療法を行います。費用は20,000円(税別)です。特に悪性度の高い菌については歯周病と全身の健康で解説しています。
歯周病治療の流れ
進行段階によって、以下の治療の流れや組み合わせが変わります。
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歯周基本治療(スケーリング・ルートプレーニング)
歯の表面に付着した歯石(縁上歯石)は「スケーリング」で除去します。しかし、歯周病を進行させる本当の原因は、歯周ポケットの中に潜む歯石(縁下歯石)です。これを専用の器具で歯根の全周からていねいに除去するのが「ルートプレーニング」です。通常は麻酔をして行いますので、治療中の痛みはありません。あわせて、歯科衛生士が正しいブラッシングなどのセルフケアを指導します。
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抗菌療法(必要な場合)
細菌検査で悪性度の高い菌が大量に検出された場合、マクロライド系(アジスロマイシン)やニューキノロン系(シタフロキサシン)の抗菌剤を服用して除菌を行います。抗菌療法はご自身の治癒能力を補助するのが目的で、歯周病そのものが薬だけで完治するわけではありません。
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歯周外科・歯周組織再生療法(中等度以上の場合)
基本治療後の再検査で深い歯周ポケットが残った場合は、歯周外科手術を行います。骨が溶けてしまった部位には、エムドゲインを用いた歯周組織再生療法で組織の再生を促します。当院はこの治療について臨床試験段階から携わり、20年以上の実績があります。詳しくは歯周組織再生療法・歯周形成外科をご覧ください。
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歯周補綴(必要な場合)
歯周病で弱ってしまった歯をかぶせ物で連結することを歯周補綴と呼びます。ぐらつく歯を固定することでしっかり噛めるようになり、歯を長持ちさせることができます。連結固定により歯の動揺が抑えられることは科学的にも証明されています。
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メインテナンス
歯周病は再発しやすい病気です。治療後は定期検診とクリーニング(PMTC)で健康な状態を維持します。詳しくは予防歯科・メインテナンスをご覧ください。
治療例のご紹介
初期の歯周病:20代女性
歯ぐきからの出血と口臭を気にして来院されました。歯と歯の間の歯肉が腫れている典型的な初期症状で、上下すべての歯にスケーリングとルートプレーニングを行いました。歯ぐきの腫れは引き、出血も口臭もなくなりました。
| 治療回数 | 4回(1回1時間) |
|---|---|
| 費用 | 24,000円(税別) |
リスク・副作用:歯周ポケット5mm以上の深い位置の歯石はルートプレーニングでは取りきれない場合があります(その場合は歯周外科の対象となります)。炎症が引いて歯ぐきが引き締まることでやや歯肉退縮が起きることがあるほか、術後の知覚過敏などがあります。
歯垢・歯石による口臭:20代女性
口臭と歯ぐきからの出血で来院されました。下の歯の裏側に歯垢と歯石が多量に付着していましたが、ご本人は気づいておられませんでした。クリーニング(PMTC)で歯垢と歯石を取り除き、歯ぐきの状態も改善して、口臭も気にならなくなりました。
通常の超音波スケーラーによる「歯石取り」では、非常に細かい粒子の歯石が歯の表面に残ってしまいます。これを特殊なカルシウムパウダーできれいに取り除き、歯の表面を滑らかに仕上げるのがPMTCです。表面がツルツルになれば歯垢や歯石が付きにくくなり、むし歯や歯周病の予防になります。
| 費用 | 8,000円(税別) |
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リスク・副作用:一時的な知覚過敏が出ることがあります。
重度の歯周病(包括的全顎治療):50代女性
歯周病がかなり進行した状態で来院されました。全顎に及ぶ歯周外科・歯周組織再生療法で歯ぐきの健康を取り戻したうえで、根管治療、7本のインプラント治療、セラミックによる審美治療まで行う「包括的全顎治療」を実施。自然で美しい口元になり、表情も大変豊かになられました。年3回の定期検診を続けられ、15年経過した現在も良好な状態を保たれています。
| 治療期間 | 約2年 |
|---|---|
| 費用 | 上顎約3,000,000円・下顎約2,000,000円(いずれも税別・治療時の価格) |
リスク・副作用:歯周病の再発やインプラント周囲炎、歯根破折やセラミックの破折・摩耗、加齢による歯肉退縮などがあり、定期検診とメインテナンス、就寝時のマウスピース装着などで予防します。
前歯のぐらつき:40代女性
歯周病の進行で上下の前歯がぐらつき、食事も会話もしづらい状態でした。基本治療と歯周組織再生療法の後、上の歯7本・下の歯3本をセラミックのかぶせ物で連結固定。食べ物がしっかり噛め、会話も自然にできるようになりました。
| 治療期間 | 1年 |
|---|---|
| 費用 | 再生療法150,000円、上顎1,050,000円、下顎450,000円(いずれも税別・治療時の価格) |
リスク・副作用:歯周病の再発、セラミックの破折・摩耗、加齢による歯肉退縮など。また連結のために健康な歯を削って被せる必要がある点は短所といえます。
※治療費はいずれも施術当時の価格です。現在の費用は費用と保証をご覧いただくか、お問い合わせください。
他院で「歯周病」「抜歯」と言われた方へ(セカンドオピニオン)
当院ではセカンドオピニオンとして、あらためて検査を行い、歯周病がどれくらい進行しているかを調べます。日本歯周病学会・米国歯周病学会の治療指針にもとづき、歯周病専門医が進行段階に応じたふさわしい治療法を選択・説明します。
当院における歯周病の抜歯の基準は、次の2つです。
- 歯を残すことで、身体や隣の歯に悪影響を及ぼす場合
- 歯を残すことで顎の骨がほとんどなくなり、インプラントなど抜歯後の治療に支障を来す場合
他院で抜歯と診断されても、精密な検査により保存できると判断できる場合があります。あきらめる前に一度ご相談ください。
歯周病の予防 — ご自宅でできるホームケア
歯周病治療の効果を保つには、プラーク(歯垢)をお口に残さないセルフケアが欠かせません。
- ブラッシング 当院ではバス法を推奨しています。柔らかめのブラシで歯と歯ぐきの境目に毛先をあて、1cm以内の幅で小刻みに動かします。歯の汚れを落とすと同時に、歯ぐきのマッサージにもなります。
- デンタルフロス 歯と歯の接触点の下をスライドさせ、歯垢をこすり落とします。深く入れすぎると歯ぐきを傷つけるため注意が必要です。
- 歯間ブラシ 歯と歯の間に通して静かに反復運動させます。サイズ選びが大切ですので、歯科衛生士にご相談ください。
ホームケアと並行して、定期的に歯科医院でクリーニングを受けることで、歯周病予防はより効果的になります。