
根管治療ノートDirector's note
歯根破折の種類についてNote #4
歯根破折とは、文字の通り「歯の根が割れてしまうこと」ですが大きく分けて、水平破折と垂直破折の2種類があります。
水平破折は、歯根が地面と平行に折れてしまうことを言います。様々なアクシデント(転倒、運動時や交通事故)で歯を強打することが原因です。症状としては、「歯が揺れる」「歯の色が変色した」「ズキズキ痛い」など、本人が自覚しているケースがほとんどです。水平破折の場合は破折部位が口腔内と交通していなければ、折れている部位にもよりますが、歯をそのまま残すことが可能になります。
垂直破折は、歯根が地面と垂直に割れることを言います。例えば割り箸を割るイメージです。原因は主に咬合力(噛む力)によるものだと考えられます。また、殆どが過去に根の治療を行った歯(神経を取った歯)におきています。破折した歯に噛む力が加わると、たわみが生じ、割れたスペースが広がります。そこに細菌が感染し、炎症を起こして骨が部分的に溶けてしまい、歯周ポケット形成します。「根の治療をしたのに噛むと痛い状態が続いている」場合は垂直破折も疑うべきだと考えております。
佐野陽祐(歯内療法専門医)
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