
ドクターコラムDirector's column
Vol.94 なぜ神経をとった歯が痛むのか
一般的に歯が痛いというのは、キーンとした痛みを想像するのではないでしょうか?
その痛みの原因は歯の中の神経に刺激が加わることで起きます。しかし神経をとった歯に痛みがでることがあります。これは歯の中神経ではなく、歯のまわり(歯周組織)の神経が反応しています。
よく患者さんから聞く症状として、噛むと痛い、歯ブラシを当てると痛いなどがあります。噛むと痛いというのは、歯の周りのクッション材である歯根膜が炎症を起こしているか、歯の周りの骨である歯槽骨が炎症を起こしていることが多いです。
歯根膜に関しては、
【1】歯に大きな力が加わることで、力の許容量を超えてしまった際に炎症を起こす。
【2】歯槽骨の炎症につられて炎症が波及してしまっている。
歯槽骨に関しては、
【3】根管治療に不備がある。
【4】歯が割れてしまっている。
このようなケースがほとんどです。歯ブラシを当てると痛いという場合には、上記に加え
【5】歯肉に炎症が起きている
というケースも見られます。
治療として、【1】に対しては噛み合わせの調整、【2】【3】【4】に対しては根管治療、【5】はブラッシング指導及び不適合な補綴物の撤去などが挙げられます。
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歯の痛みには様々な原因や特性がありますので、詳しく診査して、正確な診断をすることが治療の第一歩と考えております。
高橋デンタルオフィス 佐野陽祐医師(2022年2月)
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