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Vol.88 歯根破折の治療法について(3/3)

前回(第2回 歯根破折の診査方法)からの続きです。

第3回 歯根破折の治療法について

水平破折の場合は、神経の生死によって処置が変わります。神経が死んでしまっている場合は根管治療(死んだ神経を除去)を行います。神経が生きている場合は接着剤で両隣の歯と固定します。両方とも一定期間経過観察をおこないます。経過観察の結果、良好であれば被せ物をし、保存します。尚、予後不良で破折部分が周囲に悪影響を及ぼした場合は抜歯となります。

垂直破折の場合は、残念ながら原則抜歯となります。しかし、破折の大きさによっては残すことが可能な場合があります。根の先端1/3の破折であれば、歯根端切除術を適応することによって、一部分の抜歯のみで済む場合もあります。しかしそれ以上になると感染を完全に除去できないので残すことが難しいでしょう。

よく患者様に「接着剤でくっつけるという治療をインターネットで見たのですが・・・」と尋ねられるのですが、破折によって歯の周りの組織(歯茎や骨)に炎症が出てしまった段階では、接着剤の化学的な刺激が炎症をさらに悪化させるので根本的な治癒は難しいと考えられます。

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全3回にわたって歯根破折についてのコラムを書かせていただきましたが、歯根破折の治療予後は思わしくない印象を受けます。したがって積極的に治療を薦めることは致しません。また、歯根破折を起こさない為には根管治療後、部分的な詰め物で終わるのではなく、歯全体を覆うしっかりとした被せ物にすることをお勧めします。これによって歯の強度が治療する前と変わらない状態にまで回復し、歯根破折の予防に役立つのです。

高橋デンタルオフィス 佐野陽祐医師(2021年2月)

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